『ベルヴィル・ランデブー』フランス映画の時差


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  • |生きてく哀愁

    私はジャック・タチ監督の映画が好きなんですが、その関連で『イリュージョニスト』というアニメーション作品を知りました。脚本はジャック・タチが務めています。少し物悲しい、けれど主人公の生命力やその美しさに心が動かされる作品は、チャールズチャップリンの世界観と似ている。


さて、『ベルヴィル・ランデブー』(2003)はフランスのアニメーション作品。この2作品はいずれもシルヴァン・ショメが監督を務めたもの。一般的にイメージする長編アニメーションとは違う。アニメの世界であっても、フランス映画はフランス映画、といえばよいのか(笑)物語の雰囲気や1秒の長さはザ・フランス産。






|カエル、食べちゃうん


個性的な人物デザインでキャラクターの個性を際立たせ、世界観を創っている。
ツール・ド・フランスを思わせる息子の職業といい、アングラな生活感溢れる場面の数々といい引き込まれる。
誰もが知ってる世界の話じゃない。でもこんな嘘みたいな物語が地球のどこかで現在進行中かも、と思わせるリアルとファンタジーの世界。

私は、フランスで制作された映画やフランスの監督などmade in frenchのものは全て"フランス映画"というジャンルとして解釈しています。フランス映画を見る時は、ハリウッド映画に期待する観点とは異なる視点で楽しむ、という意識に切り替える。時間を楽しめるのがフランス映画の良いところ。


私としては、ジャック・タチの映画が退屈な映画だというなんとなく浸透した一般常識(?)は、おそらく展開が早くてハプニングが次々起こる映画を見慣れているからそう感じるのだと思う。

もちろん退屈な映画の定義なんて様々。ただ、この映画は流れる時間がほんの少しゆったりしている。
それは0.01秒の遅れかも知れないし、2,3秒かも知れない。この時間差があるから気持よく、この間隔があるから味わいが深くなるのがフランス映画。好きな人はとても好きだと思いますよ。



ー2015/01/04 14:00


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