『サムサッカー』と精神科系の病気




サムサッカー-17歳、フツーに心配な僕のミライ- コレクターズ・エディション [DVD] | Amazon.jp


こんにちは。
すごしやすい気温の日が続いて、外の空気はすっかり秋色に染まってきましたね。
この季節は大好きです。大切な人たちの誕生日や、イベントもあるし。


|不器用な友人、サム


さて、気になって観てみたいけど、買うほどじゃない‥そんな映画が私には幾つかあるんです。例によって退屈で(褒めてます)、強いメッセージは感じないけど、じわじわ響いてくる映画。映画『サムサッカー』もその中の一作です。

わたし自身が精神科系の機関にお世話になっていることもあり、こうした題材を扱った作品は積極的に観ます。「17歳のカルテ」とか、「レナードの朝」とか。ここからネタバレ含みますが、書いていきます。


主人公は、指しゃぶり(サムサッキングという)の癖がやめられない17歳。
自分でも変なのは気づいているけどやめられず、やがて自身がADHDだということを知る。
そこで、ADHD特有の症状を緩和してスムーズに日常生活がおくれるように薬を処方されるんだけれど、障害について知らない周りの人たちはこの薬物療法を訝しんでいる。


|他人事と思えなくて


話は逸れるが、私はうつ病やパニック障と診断されたことがある。

その時に感じたのは、精神疾患を理解してもらうのは重要なことであるけれど、周りの認知に関してははあまり期待できないということ。自分とサムの姿は少し重なってみえる。
今でこそこうした作品をきっかけにいわば「脳のくせ」がある場合の名称が広まってきているけれど、実生活では未だに知識レベルまで浸透していないと感じるし、当事者自身も原因が分からずにいる場合だって多いと思う。
認識の違いで苦しみたくない私がリサーチし判ったのは、

精神的な病気に分類されるウツもパニック障も脳の病気


だということ。
これらは疲れやストレスが溜まって脳がダメージを受けたために脳が通常通りに機能しなくなってしまった状態だから、気持ちひとつで状況を変えることができるものではなく。
ストレスを通常通りに処理できなくなった結果、病気レベルにまで悪化してしまうらしい。


私自身、こういう事実に気づいたのはごく最近です。情報収集をしなければ分からなかったこともあり、世間的には知っている人なら知っているという程度だと感じています。だからこそこういう映画に出会うと、嬉しい。
主人公が自分について知り、受け入れる時、その家族や周りの人間が少しでも変化していったら、それはハッピーなことだなって思います。変わるのってとても時間がかかるし、少し勇気も必要です。 


最後、主人公が街の中を颯爽と走る場面は爽快。
主人公の顔を追ってたら、この映画観てよかったって、なんだか心が救われるんです。





◎追記

監督のマイク・ミルズの他作品でも、上記のような内容を含んだ作品があるので紹介しておきます。
 
 『マイク・ミルズのうつの話』 -NAVERまとめ
 http://matome.naver.jp/odai/2138107143108771601


ドキュメンタリーということで、とても興味深いです。
サムサッカーには薬物治療に批判的な人々が出てくるけれど、監督自身もいい印象は持っていなかったと。
でも、ドキュメンタリーの出演者(うつ病を患っている人たち)のインタビューを通して考え方も変化していったそうです。体験しなければ実際のことは分からないでしょうが、この映画を撮るにあたって監督の見聞も広がったということか。ぜひ観てみたい!


◎追記2
これ、DVD発売してない‥?もしや劇場版だけ‥。



ー2014/09/30 21:15



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