ジョー・ライトの美意識

※過去の記事を見たら投稿漏れがあったようで、ここからまた過去記事になります…。





|こちとらハッピーエンドがよかった


最近観た感動作はまたべつの機会にお話するとして、今回は映画『つぐない』の話。


 
ジョー・ライトといえば、イギリスの自然をとっても愛している監督という印象が強いです。
私が大好きな映画でもトップの『プライドと偏見』は、彼の名前を知るきっかになった作品です。こういう文学を映画化した作品が、私は好きみたいです。

『プライドと偏見』はいわずもがな、ジェイン・オースティンが描いた最高の結末で終わりますよね。
甘酸っぱい恋の駆け引きや、若い娘たちのどうしようもない感情の昂ぶりが描かれ、その繊細なやりとりに、うっとりしてしまう。。でもこの映画は違うんです。
あの時代、あの場所で、上流階級の娘たちしか知らない秘め事、家族間の複雑な関係性。美しい自然の画の中で、人間の嫉妬や憎しみが描かれていて、そのコントラストが監督の独特なタッチで表現されています。





登場人物は主に3人。思春期の姉妹、セシーリア、ブライオニーと姉の彼氏(になった)ロビー。
発端は、妹ブライオニーのちょっとした虚偽から‥。本当にちょっとしたことだったかもしれない。
でも住んでる世界が近いようで遠い二人は彼女の嘘によって結果的には引き裂かれてしまいます。
・・なんだか暗い話のようだけど大丈夫!!この映画にはイケメン俳優ジェイムス・マカヴォイがいますから!!!!!


|そう、マカヴォイならね。


姉妹の姉役のキーラ・ナイトレイ。その相手役は我らがマカヴォイ。『秘められた恋』でも最高のモテ男っぷりを見せてくれたけど、ここでもマカヴォイは気取った笑顔で魅せてくれます 笑
二人は若気の至りも手伝って、はじめの方で早々に結ばれてしまうんだけど‥そう簡単に報われる恋ではないのが歯がゆい。





今回はキーラがわりと尖った演技をしているので、相手役とはいえマカヴォイとの会話シーンも張り詰めた空気を感じます。このキーラのオーラにマカヴォイは押され気味なんだけど、そんな緊張した空気感の中で、努めて穏やかに話す彼には萌えました。


優雅な生活は、ちょっとしたボタンの掛け違いから一変してしまって、二人は離れ離れになります。
ここからはもう、、時代の波って大きいのですね。マカヴォイ氏は役作りのためなのか、すごく痩せている。すごく厳しい顔になって‥。



ネタバレになりますが、妹のブライオニーが書いた小説の空想部分ではキーラは恐いくらいシリアスな演技してる。それに輪をかけたようにマカヴォイは苦しくておかしくなりそうな怒りを抱えたまま。。とても切ない展開。
一変して、海ではしゃぎながらラブラブしている二人のシーンも、本当に‥不自然なほど美しくて。

本作でのジョー・ライトの演出では、サスペンスのような鋭い描写がいくつか出てきます。
”cunt”というキーワードの使い方とか。彼らの身分の違いが分かるタイプライターは悲しい物語の発端になってしまう道具ですが、タイプするときの音がBGMの代わりに使われていたり、人間の嫉妬や妬みを題材にしているのに、劇中の音や風景は美しくて、気品があると思う。
ジョー・ライトの美意識にはいつも驚かされ、また感動させられます。



しっかしイギリスって、雄大な自然に囲まれているところが良いですよねぇ。
歴史的な建物もたくさん残っている。いつか行ってみたいです。




ー2014/11/01 18:46



Popular Posts