とろける

ジュードの横顔ってセクシーですよね



|ブルーベリーパイは好き嫌いが分かれる。

 言わずもがな、初見後の私は「なにこの映画。。内容も何もないじゃん。。」と唖然とした。
 なぜこのような雰囲気映画が人気なのか、この映画が好きと迷いなく言う人と全然面白くなかったという人がいるのか…。こういった類の映画は2回観る機会をぜひ用意して欲しい。その日はいつかやってくる。


 冒頭の温かいブルーベリーパイの上で溶けていくアイス。とりこになった私はこのシーンを見るとワクワクする体質になってしまった。ジュワァっととろけるアイスは、これから始まる甘くて気だるい恋を示唆しているのだろうか…。
ここから好きなシーンが続く。この勢いが最後までいけばよかったのにね。ふたりで残ったケーキをむしゃむしゃしてるのが可愛い。ノラジョーンズの色っぽさは夜に映える。傷ついてる女ほどエロいし、そういう女を放っておけないジュードもまたエロい。




 食べるって行為は本当に、人の距離感を縮める行為だと思う。この夜だけでかなり親密になったふたりの様子が分かるから。関係ないけど、ジュードロウの発音がイギリス英語まんまなので一気に店員としての紳士度が増している。



|展開してくようで動かない夜の話

 客が喧嘩する夜、店内はなんでこんなに静けさに包まれてて、なんでこんなに人がいないんだろう‥。青いネオンに喧噪の後の散らかった店内。荒廃的な気持ちを晒すにはもってこいのロケーションだった。理不尽な恋愛話はセリフとして出てこない。夜の重たい空気に流されて、時間がスローモーションで経過していくだけ。
 このシーンでつくづくノラジョーンズは失恋とか似合うなって思った。奔放なふるまい、子どもみたいな寝顔。この映画に限ったことじゃない、ジュードロウはいつだってチャラい。夜、同じ空間にひとりの女性がいたらけっこうな確率で‥‥うん。どの映画でもそういう展開。


 それにしても、なんでいつも忙しそうなのよジュード。。


 夜のカフェでは修羅場もあるでしょうよ。でもおっさんは警官のくせに分別がないなぁ、これが欧米のカフェの日常だとでも?このシリアスな場面にしても重たくねっとりした悲しげなジャズが流れるから救われる。あと響くのはいつもの電車の音。終電逃したみたいな気分、大切なものを逃したようなそんな。夜って、いつでもそういう悲壮感を感じることができる。

 ナタリーポートマンはかなり尖った女を演じてる。本当は端役じゃないほうがよかった、せめてこんな肩の紐出してるような感じじゃなくて。どちらもベイビーフェイスだから。後半のナタリーの実家の話うんぬんには時間を割きすぎだと思う。これが核になっちゃってる。


 で、月日は流れてまた例のカフェ。ジュードとノラのふたりはくっつく。これまでの夜の時間はお試し期間だったのかもしれない、食べるだけのデートの期間。いつも深刻な表情のジュード、彼女の口についたクリームめがけてキスしにいく。ここでまた、ブルーベリーパイに溶けたアイスが流れていくカット。




 はぁ。それにしても、キスを真上から撮るって誰が思いついたのよ。
 ずるいよね、雰囲気映画だよね。



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